mitsuhiro yamagiwa

2022-06-03

信念の調和

テーマ:notebook

第三章 認知バイアスのルーツ

 人々が未来を予測できるのは、未来が自分の希望と一致するときだけであり、もっとも掛け値なしに明白な事実は、それが歓迎されていないならば、無視されうる。ーージョージ・オーウェル

社会心理学の三つの古典的な発見

 もし自分の信念が自分の周りにいる人と調和していないと感じるならば、わたしたちは自身の感覚という根拠さえ軽視するというのだ。端的に言えば、同調圧力が働くのである。わたしたちは自分の信念のなかで調和を求めようとするのとまったく同じように、わたしたちの周りの人の信念を求めようとする。

認知バイアスについての現代の研究

「不確定性下における判断」

 動機づけられた推論とは、真実であってほしいという思いが、実際の真実の認識に影響を及ぼすという考えである。つまり、わたしたちの推論は、しばしば感情的な文脈の枠内でおこなわれているということだ。

 わたしたちが心理的な不快感を感じるとき、それを低減するために、自我を脅かすことのない方法を見つけようと動機づけられ、その結果、感情を自分の信念に適応させるというよりはむしろ、信念を感情に適応させるという非合理的な傾向へと至るのである。

ダニング=クルーガー効果 

 わたしたちがリベラルであれ保守派であれ、認知バイアスはわたしたち人間が継承してきたものの一部なのである。

ポストトゥルースとの関係

 今日においては、過去に例を見ないほど、わたしたちは自分に賛成する人々を取り巻きにすることができる。ひとたびこうしてしまうと、自分の意見を集団に合わせて変えるようにするさらなる圧力がかかるのではないだろうか?

『ポストトゥルース 』リー・マッキンタイア/著、大橋 完太郎/監修、居村 匠・大﨑 智史・西橋 卓也/訳より抜粋し流用。