経過の一端にとどまるシークエンス
『Ghost Tropic』 Bas Devos
はじまりの日暮れ
誰もいないリビングルームは静かに暗くなって、ある一夜がはじまる。
おわりの夜明け
誰もいないリビングルームは徐々に明るくなって、何事もなかったように、また一日がはじまる。
『瞳をとじて Close Your Eyes』
Víctor Erice
劇中劇からはじまり、冒頭はだれの記憶を辿っているのか見えてこない。
未完の作品に纏わる封印された記憶は、周辺の記憶とともに再帰し、対話劇によって喚起され、物語の伏線が見えてくる。瞳をとじれば未だに認識されぬまま置き去りにされた過去が蘇ってくる。「老い」の描く経緯は、経過によって「現在形」を想起させる。