・話すということは、たとえそれが自己を語る場合であっても、常に他人の位置を奪うことを意味している。つまり他人になりかわって話そうとつとめ、他人には話す権利を認めないということですね。
・重要なのは集合と全体の区別です。
・時間とは、集合のことではなく、ひとつの集合から別の集合への移行をくりかえし、ひとつの集合を別の集合のなかで変形させていく全体のことなのです。
・主体化と主体はほとんど無関係だとすらいえる。 主体化と知の権力。
・集団がどのように変質し、どのようにして歴史にのみこまれてしまうのか、という問題が、不断の「気づかい」を強いてくるのです。
『記号と事件』ジル・ドゥルーズ/著、宮林 寛/訳
・言説とは、同じ一つの形成システムに属する諸言表の集合のことである。
・言説は、その矛盾が常に自身の手前にあり、それゆえそれを決して完全には回避しえないからこそ、変化し、変貌して、自分自身の連続性から自ずと逃れるのであるということだ。
・言説は、一方の矛盾から他方の矛盾へと至る道であるということ。つまり、言説が目に見える矛盾を生じさせるのは、言説が自ら隠し持つ矛盾に従うからであるということだ。言説を分析すること、それは、矛盾を消失させ、次いでそれを再び出現させることである。それは、言説における矛盾の作用を示すことである。
・カント以来の哲学が自らを同一視してきた超越論的反省にかかわる危機。我々が自らの現在の差異を巧妙に避けるために用いる起源の問題系および回帰の約束にかかわる危機。
『知の考古学』ミシェル・フーコー/著、慎改康之/訳