第10章 半獣神の哲学
構成ーー仮説と名
記憶は一つの非出来事化である。というのも、記憶は命名を一つの意味作用へとつなぎ合わせようとするからである。
疑念と痕跡
「私」は、決定不能なものそのものの主体なのである。
散文の芸術は、物語の芸術ではなく、疑念の芸術でもなく、物語から疑念へ向けられた提示の芸術である。
(6)身体のしるしと芸術の潜勢力
問いとは、もはや起きたことを知ることではなく、決定不能な出来事から真理を作り出すことなのだ。
(9)三番目の誘惑ーー唯一のそして聖なる名
真理は反復不可能なものの要求のなかにあるのだ。
まとめ
(1)出来事
詩は出来事の決定的不能性を思い起こさせる。
出来事は、欲望の匿名的補足、その不確かさ、その流動性である。
『思考する芸術―非美学への手引き 』アラン・バディウ/著、坂口周輔/訳より抜粋し流用。