コレクションを中心とした特集 |『記録をひらく 記憶をつむぐ』
1章 | 絵画は何を伝えたか
「記憶」という役割と「記憶」の働き
>>「記憶」は「記録」にも読み替えられる。
当時の経験を時代を超えて共有し、未来の平和に資する想像力を引き出すことを試みます。
戦後80年代となる今、戦争体験を持たない世代が、どのように過去と向き合うことができるかが問われています。
>>過去形にされる戦争
>>すでに〈現在〉いう括りから、近接化に限定せず、グローバルに戦時下として、とらえ直せば、いつもどこかで戦争は行われていたのかもしれない。
>>描かれた史実
美術館がこのような記憶を編む協働の場になること。
宮本三郎 → 「戦争」を伝達するメディアの舞台裏
大衆の熱狂を生み出すメディア空間
2章 | アジアへの/からのまなざし
美術は自己と他者の差異を視覚的なイメージとして表現することを通して、「日本」や「日本人」の自己像(アイデンティティ)の形成に寄与しました。
絵画に描かれたものと描かれなかったもの
日本とアジアの間の視線のやり取りと、そこに含まれる政治的な力学。
>>表象の背景
「五族」→ 漢族、満州族、モンゴル族、朝鮮人、日本人
「行軍」という情景
「歴史画」と呼ぶべきモニュメンタルな表象。
「行軍」の主題は、文学や音楽や映画などのメディアの複合により、大衆的な共感の磁場を形成。
>>構図という作為性
空爆イメージ→公式な作戦記録画?!
「思想戦」
戦争画のイメージ統制?!
カリカチュア
『蒋介石よ何処へ行く』難波香久三
冷淡な「他者のまなざし」
藤田嗣治
西洋の古典的歴史画の系譜に連なるように近代線を描くことを企図。
3章 | 戦場のスペクタクル
戦況を伝えるために写真や映画ではなく絵画が選択された理由はどこにあったのでしょうか。
4章 | 神話の生成
目と耳に訴える表現がかけ合わされて、人々を動かす「物語」が生まれていくのです。
気分の醸成 → メディア〈リ〉ミックス?!
「特攻」の表象
宮本三郎 フランス19世紀のロマン主義絵画のように描き出す。
記録を超えてモニュメンタルなものにしようとする意図?!



5章 | 日常生活の中の戦争
日常と戦争が隣り合わせ。
日常が戦場と化していく戦争表象の変化?!
「銃後」: 戦時、直接の戦闘に加わらないで、前線の背後にあってこれを支援すること。また、その主体となる一般国民を指す?!
「防空思想」
6章 | 身体の記憶
過去の戦争の事実から何が記憶され、何が忘却されたかという現在にまで続く「戦争の記憶」の問題が立ち上がります。
戦後日本における身体表象
河原温
『死仮面』 モノ化した人間の姿
戦争の記憶や社会の歪みを見つめ、記録するような美術表現。
7章 | よみがえる過去との対話
記録を掘り起こす実践が、過去に向き合う意識の変化をもたらした。
民間人の「小さな」記憶を拾い集める動き。
過去の情報を再構成する「記憶」の働き。
示唆的な「記憶」群
8章 | 記録をひらく
向井潤吉 消えゆく民家を記録することに、生涯をかけて取り組みました。
ーーーー“これらの戦時のプロパガンダであった美術をどう扱うべきなのか”
